実績十分の内野手

オンラインカジノ問題で揺れるプロ野球。日本野球機構（NPB）はここまで8球団15人の利用者がいたことを明らかにしているが、問題発覚の発端となったオリックスの山岡泰輔を除いては、その名前も所属チームも伏せられている。ファンの間で不公平感も指摘される中、球界ではふたりの大物選手が利用していたとの情報が浮上している。

NPB関係者は無念そうに漏らす。

「最初に聞いたときは驚きました。AもBも東日本に本拠地を置くチームでそれぞれ主力を担う実績十分の内野手ですからね。当然、違法だという認識はなかったと思いますが、立場を考えればもっと慎重な行動を取ってほしかった」

ことの始まりは2月21日。NPBからの調査依頼を受けたオリックスが、山岡が過去にオンラインカジノを利用していた事実を公表。当面の間、自宅謹慎とプロ野球選手としての活動自粛を山岡に命じた。

それを受けてNPBは全球団に調査を求め、27日に新たに7球団14人の自主申告があったことを発表。野球賭博といった野球協約違反に当たるようなものはなく、処分は契約当事者の各球団に委ねるとした。

「うちはいない」とは言えない

「一部で日本プロ野球選手会がNPBに、常習性が低いなど単純賭博だったケースでは出場停止や活動停止の処分を科さないよう要請したと報じられましたが、どのように対処するかを主導しているのはNPBだと聞いています。球団によって対応、処分に差が出ないように足並みをそろえることを望んでいて、実際、27日の発表後、どの球団も判で押したようにNPBが出した情報以外は話せないと個別のコメントを控えている。

利用者がいない球団は『うちはいない』と言いたいところでしょうが、そうするとおのずと該当球団が絞られてしまうので、それもできない。選手たちも同様で、現場はこの件については聞かないでほしいという空気で支配されている。我々も背広組には取材をしていますが、監督、選手にはそこまで掘り下げて聞いてはいません」（遊軍記者）

ただし、緊迫した雰囲気かというと、そうでもないという。今月28日に迫った開幕への影響も危惧されるが。

AもBも普段通り
「このままなら、それはほとんどないのではないか。球団からの自主申告の呼びかけも名前は公にしない条件があったのではと見られていて、非公開なら唐突に試合で使わなくなったり、練習に来なくなったりすれば疑いの目が向きますから、表立った処分はしにくい。もちろん利用者たちは反省しているでしょうが、直接的な被害者がいるというわけでもないので罪悪感は希薄なのでは。AもBも普段通りに練習試合やオープン戦に出場しています。

ふたりともタイトルを獲得した経験もある、チームに欠かせない選手。首脳陣としてもいてもらわなければ困る存在。なにかしらの処罰は受けたでしょうが、このまま開幕を迎えるのでしょう」（前出・NPB関係者）

来週になれば大谷翔平らドジャース、カ＊の面々が来日して世間の耳目は一気にそちらに集まることになる。ファン以上に待ち望んでいるのはオンラインカジノ利用の当事者たちかもしれない。

https://gendai.media/articles/-/148230